"CHIKUSENSO ONSEN" ARCHITECTURE PHOTOGRAPH 2023
ZAO - MIYAGI
大人の旅は上質なカメラ片手に
宮城県蔵王、遠刈田(とおがった)温泉にある温泉宿「竹泉荘 CHIKUSENSO ONSEN」。ジリジリとした暑さの中、ずっと気になっていたこの宿にようやくプライベートで訪れることができました。持参したカメラはGRⅢ。シャープな描写はもちろんですがシャッター音も小さく手に収まるサイズなので他の宿泊客に迷惑がかからない。そのため旅カメラにはいつも欠かせません。そして28mmという画角が宿を撮る時はちょうどいい。様々な被写体が茶にちょうど上手く収まってくれる画角が28mm。絵画のような窓越しの緑を眺めながらソファに座る、らじっくりとゆっくりと景色を見つめる時間が過ぎていきます。忙しない日常からちょっとだけ離れ、束の間の贅沢な時間を過ごすことができました。
心にバッファを作る、その意味とは。
社員皆が常に100%の力で進むと会社は潰れてしまうという物理的な理論があります。制約理論と呼ばれるもので、そこでは常に70%の力で進む事が理想と言われています。想定外の事態に迅速に的確に対処できる30%の余力を常に残しておきなさいという意味だと理解してますが、現実で起こる現象は不思議といつもその言葉を思い返す事ばかり。本当に不思議です。
我々は日常に追われながら何を求めているのでしょう。男ならあくせく働いている時が幸福であることも分かります。気ままに過ごせるほど余裕ある生活が幸福なのも分かる。でもはたして自分にとって何が幸福か。今すぐわかる事でもなく、振り返ってみてそうだったかと理解するのかもしれません。とにかく曖昧な我々人間は、進みながらジャッジしていくしかありません。ただ一つ知っていることは、踏みとどまって考えたり感じたり、指摘された言葉を噛み締めたりする時間や心のバッファは必要だと言う事です。いわゆるいっぱいいっぱいな頭では何も正しくジャッジできません。
この日は晴天に恵まれました。しかも夏、木々が生い茂る時期ならではの景色が楽しめました。秋の紅葉もきっと素晴らしい。雨の日も美しいかもしれません。宿自体が小さな森に囲まれていて周囲を散歩できます。チェックアウト前の朝散歩がいいですね。
宮城蔵王でも指折りのオススメ温泉宿です。予約が取りづらいかもしれませんがぜひ。その時はお気に入りのカメラを持っていくといいと思います。
PHOTO:KYOSUKE YAMAUCHI with RICOH GRⅢ
KYOSUKE
YAMAUCHI
photographer
movie creator
designer
writer
photographer / movie creator / designer / writer
宮城県生まれ。大学卒業後、都内にて様々なジャンルのカメラマンアシスタントを経て25歳でフォトグラファーとして独立。商品撮影・料理撮影・物撮り・建築撮影・モデル撮影・車撮影に至るまでオールジャンルを撮影ができるのが特徴。現在、仙台に自社スタジオを構え広告・エディトリアル・MOVIE撮影と編集を手掛ける。
web design・graphic design・copy writingにも精通。デザイナー・ライターとしても数々の企業のプロモーションを手がけている。フォトグラファーとデザイナー双方の視点からの制作が得意。写真撮影・動画制作・WEB制作・グラフィックデザインなどクライアントのクリエイティブ周りをすべて担当するスタイルで主に東北を中心に活動している。
株式会社温故見新
代表取締役/撮影用背景ボード Photo background プロデューサー。